国内的には、戦後まもなくGHQによって武道に大きな制限が加えられたこともあり、武道教育の刷新を図ることになりました。それを受けて、武道館設立運営の目的を達成させるための公益財団法人日本武道館の定款7項目の事業の一つに「武道に関する学術調査研究に関する事業」とあり、1968年(昭和43)に本学会の設立をみたのです。
本学会の創設が1968年(昭和43)。8年後の1976年に日本学術会議に、翌1977年には国際スポーツ科学・体育学会加盟が承認されて概ね半世紀、そして今日、武道を対象とした学術研究の成果が各界に向けて発信されるようになりました。
今後も武道の特性について多くの知見が蓄積され、2年後の60回記念大会では「これが武道だ」と示すことができることでしょう。
武道発展の経緯を辿れば、その出発点は「対面」です。その対面は単に向き合うだけでなく、お互いに否定し合う関係性が原点となっています。
対面性の闇ともいうべき相互否定の場から相互肯定の在り方を示したのが「武道」。実技・実践での「間合」「気合」「理合」をどう読み解くかが課題となるのではないでしょうか。
「武道とは何か」を説明できる学術団体として発足した日本武道学会は様々な紆余曲折を経て今年で58年目を迎えることになります。